作詞 - miyo
作曲/編曲 - 本田海月
白いベッドに脚を投げ出して眺めてた
鉄格子の向こう側
満ち満ちた豊穣の月、真ふたつに割れて
流れ出した淡い光はくるぶしを染めた。
あの 割れたきいろは
新月から8日目に産声をあげた
上弦の月と、あたしなんだわ。
遠のいて行く意識は未だ
堕天使に “殺さないで” と泣いて、
見上げても、届かない。
月明かりに抱かれ、パパは云った。
「あいしてる、」と。
幼いあたしはそれが難しくて理解らない。
教えて。
“愛” とは、かなしいもの?
白いシーツを赤く染めながら見上げてた
鉄格子の向こう側
祈りを待つ月の鏡、黒い影に殺られて
崩れ落ちた淡い破片はひだりてを襲う
あの 割れた鏡は
潮の満ちた真夜中に弓を張り沈む
上弦の月と、あたしなんだわ。
したたり落ちる この身体のひとかけらを
偽りの正義は 抱いて、闇の檻に閉じ込めた。
月明かりに凭れ、ママは泣いた。うなだれて。
あの日、あたしはなんでわらったりしたんだろう?
教えて。
月に奪われ溶ける意識は未だ
堕天使に “殺さないで” と泣いて、
見上げても届かない。
すべてを呑み込み 落ちるための吸収が
偽りの正義の元であたしを壊してく。
祈りを――――――
悪魔が笑う。
手招き、「さあ、時間だよ。」